曹操は「葬式を簡素にするように」「遺体を飾るな」「金玉珍宝の類を墓に入れるな」といった遺言を残しているので、曹操高陵の発見によって薄葬の実態を知ることができるわけです。その遺言が実行されたのかを具体的に検証する材料が得られたので、研究者たちはそこに注目しました。

魏のイメージが強い曹操ですが、彼は後漢時代に亡くなっているので通常であれば墓は後漢の埋葬制度を基本に作られる。当時の王クラスの人物は玉衣を着るのが一般的ですが、その玉衣が見つからなかった。盗掘にあっても破片の一片くらいは見つかるものですが、断片すら見つかっていないので遺体は飾られていなかったことがわかる。また金玉珍宝についても痕跡がない。つまり、現在知りうる情報からは曹操の遺言は実行に移されたと判断せざるをえません。

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