ひとつはセントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(以下、CEN)と呼ばれるもので、「こうありたい」とトップダウンで思い描く自分のありように向けて私たちを行動に促してくれます。脳の司令塔とも言われます。

これと対になるのがもうひとつのデフォルト・モード・ネットワーク(以下、DMN)。DMNもわれわれの行動を導いてくれるのですが、トップダウンではなく、過去に自分が振る舞ってきた記憶ベースで行動指針を示します。ある行動をとるとそれに伴うエピソードが脳に刻まれていきますが、その記憶にしたがって無意識的に誘導してくれるのがDMNの働きです。

例えば通勤・通学では何百回と同じ道を歩きますが、「ここで曲がろう」「あそこで曲がろう」などといちいち意思決定せずとも目的地にたどり着くのはDMNが働いているからです。逆に初めての道を歩く際にはいろいろな意思決定が必要になります。こうした時はCENを使いやすいです。

DMNは記憶化されているのでエネルギー効率がいい。負荷がかからないので脳にとっては非常に楽です。一方、CENは新しい情報処理をすることが多いのでエネルギーをたくさん使います。そのため脳は放っておくと負担の小さいDMNを使いたがるのです。

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