人間の本性が持つ4つバイアスを取り上げ、それらの克服方法を提唱している。
4つのバイアスの第1は、「成功のバイアス」である。過去の成功体験に過度に依存することであり、前述の基本的な帰属錯誤も含まれる。第2は、「行動へのバイアス」である。常に業務で臨戦態勢にあると、組織メンバーは新しい知識を学習したり、応用したりする意欲がなくなる。また、何がうまくできて、何ができなかったのかを振り返る時間を持てなくなる。第3は、自分の強みを活かして組織に適応しなければならないという「適応へのバイアス」である。そして第4は、組織の改善を図るにはコンサルタントなどの専門家こそが適任者であり、専門家にまかせて自分は考えないという「専門家へのバイアス」である。