アプリケーション・ソフトウエアなどの情報コンテンツを無償で提供する「無償バージョンの論理」について述べ、顧客によって、あるいは異なる時間軸上にバージョンを変えて顧客に提供する「バージョニング戦略」を提言している。

 無償バージョンの論理は、第1に、初期の固定費負担が大きいものの、情報財である商品を複製する限界費用が小さく、無償バージョンを大量に配布しても、その費用がゼロに近いこと、第2に、情報財は、実際に利用してみなければその価値を認識できない「エクスペリエンス・グッズ」としての性格に由来すること、から成る。

 そして、商品を無償提供する効果としては、無償であることが話題となり商品に対する認知を確立できること、アップグレードなど付加的な機能を備えた商品を売り込むことができること、クリティカル・マス(臨界点)に到達を可能にするネットワーク効果を持つこと、などを挙げている。

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