ゲイツとアップル関係者の数人は、アップルが「Macintosh」にモトローラのチップ「68000」シリーズを選択したことについて、熱い議論を交わしていた。

アップルの歴史をひも解くと、極めて重要な決定の多くは、デヴァイスを動かすためにどのメーカーのどの半導体を選ぶのかに関するものだった。当初のMacintoshが採用した「68000」シリーズのチップは、モトローラ製である。のちにアップルは、IBMとモトローラとの協業に基づいて開発されたRISC方式のチップ「PowerPC」シリーズを採用した。

このあとアップルが2006年から「Mac」シリーズをインテルのチップへと移行させた出来事は、まさに劇的な転換だった。ところが、07年に発表された「iPhone」のマイクロプロセッサーに、ジョブズは満足していなかった。サムスン製のARMチップを採用していたが、十分なパワーを出せなかったのだ。

まもなくジョブズは、他社のチップを使っていてはアップルは自身が思い描く高みには決して到達できないと結論づけた。

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