ある公立大学のコールセンターで働く職員を対象に行った研究を例に挙げよう。コールセンターの職員の仕事は、卒業生に電話をかけて大学への寄付を呼びかけることだった。
グラントは職員を2つのグループに分けた。一方のグループは通常通り、卒業生に電話をかける仕事をした。もう一方のグループは、電話をかける前に、コールセンターが集めた寄付金によって実現した奨学金を受給した大学生と、短時間だが話をする機会を設けた。
1カ月後、奨学金を受給した大学生と話をした職員は、寄付金を募る電話に2倍以上の時間をかけ、集めた寄付金も週平均185.94ドルだったのが503.22ドルへと大幅に増加した。
ライフガード、病院職員、営業チームを対象にした研究でも、同様の結果が見られた。私たちは、自分の仕事が個人に対して重要な意味をもたらしているとわかると、底力を発揮するものなのだ。