オスたちは子どもの頃ほど頻繁に母親と顔を合わせることはなかったが、たまたま近くにいるようであれば母親を探し出し、長時間にわたって毛づくろいをした。
さらに親しい関係を保っている個体もいた。「若いおとなのオスの約3分の1は、母親と親友のような関係なのです」。
このような母子の永続的な関係は、おそらく地域を越えてチンパンジー全体に見られるものだ。哺乳類でこうした関係ができるのは非常に珍しい。おとなになったオスはたいてい生まれた集団を離れるからだ。チンパンジーの場合、集団を離れるのはメスであるため、メスのチンパンジーにとって最も親密な家族は、自分の息子である場合が多い。