リスクコミュニケーションに付きまとう問題は、人が確実性と完結(曖昧ではない完全な答え)を生来的に求めるという傾向である。

 ロシアンルーレットの実験で、これが最も如実に示されている。

 6発装填できる回転式拳銃に、弾丸が1発または4発入った状態で引き金を引かなければならない。お金を払えば、どちらかを1発減らすことができる。

 ほとんどの人は4発入りから1発抜くよりも、1発入りから1発抜くほうに、格段に多く支払う(リスクの減少率は、どちらも同じ6分の1であるにもかかわらず)。ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが「確実性効果」と呼んだこの傾向は、免責補償保険が高額でも加入する理由の説明にもなる。

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