ネットフリックスは、まさにその典型だ。CEOのリード・ヘイスティングスは2013年、従業員と投資家に11ページの文書を発表した。そこに詳述されていたのは、単なるデジタルコンテンツの配信を超えて、エミー賞やアカデミー賞を獲れるようなオリジナルコンテンツの制作で先頭を走る会社になる、という決意である。
文書にはこう書かれていた。「当社は、コムキャスト、スカイ、アマゾン、アップル、マイクロソフト、ソニーやグーグルなどを相手に、事業の広さという部分では競争する意図も能力もありません。当社が大きく成功するためには、焦点を絞った情熱あふれるブランドになる必要があります。セブンイレブンではなく、スターバックス。ユナイテッド航空ではなく、サウスウェスト航空。ディッシュ・ネットワークではなく、HBOになるということです」