体格的には並みだから、ひたすらバットを振り抜くことで打球を外野スタンドまで運ぶ力をつけた。投球をバットで引っぱたいて、最後は執念で外野スタンドまで持っていく感じ(笑)。
この“作られたホームランバッター”に共通するのは、全打席でホームランを狙っていただろうということ。
本当に狙っていないのなら、野手が全員右へ寄ってしまう『王シフト』を敷かれながら、「その上を越えてしまえば関係ない」なんてライトスタンドへ打ち込まないもの。ヒットを狙って左方向へコツンと打てばいい。
野村克也さん(南海-ロッテ-西武)だって、門田博光さん(南海-オリックス-福岡ダイエー)だって、みんな同じ。ホームランを狙い、その打ち損ねがヒットという考え方だったと思う。唯一の例外は、張本 勲さん(東映・日拓・日本ハム-巨人-ロッテ)。張本さんは、ヒットの延長で504本ものホームランを積み重ねた。なぜなら、一塁に走者がいて打席に入った時、その走者が動くことを凄く嫌っていた。一塁走者がいれば相手の一塁手はベースにつくから、一、二塁間のヒットゾーンは広くなるでしょう。そこを狙っていたんだね。