最後通告をうまく操る方法がわかった。驚くほど簡単な方法だ。そのカギは「選択マインドセット(choice mindset)」、すなわち自分と交渉相手が持っているすべての選択肢について考えることだ。
ある実験では、206人を2人1組のペアにして、中古車の価格交渉をさせた。その際、買い手を2つのグループに分けて、片方には売り手が持っているすべての選択肢を考えるように、もう片方には売り手が直面しているすべての制約を考えるように、それぞれ指示した。その結果、売り手の選択肢を考えるように指示された人々のほうが、614ドル安く車を購入した。
どのような選択肢があるかは、幅広く考えること。中古車の実験では、参加者に次のように説明した。「今回の交渉で、売り手が持っている選択肢を考えてみましょう。たとえば、価格の範囲は厳密に決められているけれど、カーアクセサリーを追加する決定権はあるかもしれません」