カネボウ社内で「宇宙遊泳」と呼ばれていた循環取引も、同じ構図だった。カネボウは祖業である繊維事業で生産した糸を、外部の染色工場に高く売り、染色工場は織物工場や縫製工場にまた高く売る。すべては掛け売りなので、中堅・中小のオーナー経営が多い染色・織物・縫製工場も懐は痛まず、最終的に完成品をカネボウが買い取れば損失は発生しない。しかし、競争力が劣化したカネボウは全量を買い取ることができず、宇宙遊泳を繰り返していた。社員でさえ、どの仕掛品がどこにあるのかわからない状況に陥っていた。
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カネボウ社内で「宇宙遊泳」と呼ばれていた循環取引も、同じ構図だった。カネボウは祖業である繊維事業で生産した糸を、外部の染色工場に高く売り、染色工場は織物工場や縫製工場にまた高く売る。すべては掛け売りなので、中堅・中小のオーナー経営が多い染色・織物・縫製工場も懐は痛まず、最終的に完成品をカネボウが買い取れば損失は発生しない。しかし、競争力が劣化したカネボウは全量を買い取ることができず、宇宙遊泳を繰り返していた。社員でさえ、どの仕掛品がどこにあるのかわからない状況に陥っていた。