スパイクたんぱく質のmRNA配列しかもたないワクチンの接種で、COVID-19に罹患することはない。副作用も、接種後の発熱や倦怠感を多くの被験者が報告しているが、典型的なものは腕の注射部位の痛みや腫れだ。これらの症状は、ワクチンによって新型コロナウイルスに“感染”したからではなく、ワクチンが体内で強固な免疫反応を誘導している証拠であり、予想範囲内の反応なのだ。
また、モデルナやファイザーの遺伝子ワクチンは、最終報告で94〜95パーセントの有効率のみならず、重症化を予防する効果も報告されている。わたしの20代や30代の友人のなかには、COVID-19に罹患したあと8カ月経ってもほとんど嗅覚が戻らない人や、人工透析が必要になった人もいる。こうした重い後遺症を防ぐという意味でも、ワクチン接種は効果的なのだ。
ただし、免疫系に何らかの問題がある人たちは注意が必要かもしれない。ファイザーは12月8日、英国で始められた接種で重篤なアレルギー反応が2例報告されたことから、過去にワクチン接種で重大なアレルギー反応が出たことのある人は接種しないよう呼びかけている。