毛沢東は1954年に「曹操は素晴らしい政治家かつ軍事指導者であるのみならず、素晴らしい詩人でもあった」と発言しています。

毛沢東はもともと、始皇帝や曹操のような法家(法による厳格な政治を求める思想)的な人物を高く評価していたという事情もありますが、それ以上に個人的に曹操が好きだったはずです。お互いに詩人ですから。

曹操の文学は非常に素晴らしいものです。日本でも、たとえば中曽根康弘さんがサインするときは「老驥 櫪に伏すも、志は千里に有り」と、曹操の詩「歩出夏門行」を引用している。東晋の大将軍だった王敦も、酔っぱらうと唾壺(だこ)を叩きながらこれを歌う癖があって、ついには壺のフチを全部欠けさせてしまったといいます。

曹操の場合は、すでに権力を握っている人や、なにかを改革したい人からの評価が高い。毛沢東とか魯迅とかですね。いっぽう、社会を変えたくない人が好きなのは諸葛亮です。朱子学で知られる朱熹などは、諸葛亮が大好きですから。

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