最終的に競り落とした入札者は、3LAUの言葉を借りれば「トークン化された初めてのアルバム」に対し、366万6,666ドル(約4億円)または同額のEthereumを支払った(実際どちらだったのかは不明だ)。いずれはほかの人々も無料で聴けるようになるかもしれないが、いまは「入札者65」が、ただひとりこの曲にアクセスできる。
このオークションに限らず、いまノンファンジブル・トークン(NFT)が大躍進している。NFTは音楽や文章、動画、ヴィジュアルアートといったデジタル作品と所有者を固有に結びつける認証コードのようなものだ。たとえコピー版が無料で出回っている場合でも、あるデジタル作品に関して自分だけの認証されたヴァージョンを所有できる。
NBAのスター選手のダンクシュートやブロックの動画は誰でも観ることができるが、いまNBAは認証済みの12秒の動画のNFTヴァージョンを数十万ドルで販売している。バスケットボールのハイライト映像をただ観るよりも、所有できたほうが満足できるというわけだ。
このほかNFTの世界では、認証済みのミームアートに数百万ドルが費やされている。なかでも、ある荒削りな感じもする猫のアニメーションには50万ドル(約5,400万円)近くが支払われた。