一般に通常の映画は、ひとつのショットが数秒からせいぜい20秒ほどで撮影される。60秒以上のショットで構成されるワンカット映画は、極めてまれである。それが『1917』では、数分間に及ぶショットもあった。
「VFXとは、高品質なコンピューターグラフィックスやリアルな動きや感覚を通じて、いかに観客をあざむいてその気にさせるかです」とロシェロンは言う。「観客の脳は、カットを見ればただちにリセットします。でも、わたしたちの場合、観客はじっくりと観察できるのです。観客の脳には、特にIMAXフォーマットの場合、物事を見つめて分析する時間が与えられます」