・カルダーノがゲームを覚えたころには、サイコロのデザインは標準化されていた。そのおかげでカルダーノとパスカルとフェルマーが、確率について体系的に考えられるようになった。
・サイコロという物体をより均質に作ることで、最終的にホイヘンスやハレーのような人々が、確率論という新しいツールを使って、人間の死すべき運命という明らかに均質でないものを分析することができた。サイコロはもはや単なる遊び道具ではなくなり、あらゆる予想をくつがえして、考えるための道具になったのである。
・中世のサイコロの均一な形のおかげで、それをつくった人間が確率について新たな角度で考えることができたように、道具は必ず最後には道具の製作者を変えることになる。