欧米のほとんどのSNSアプリとは異なり、ウィーチャットには「既読」通知、つまり送ったメッセージが読まれたことを送信者に伝える機能がない。この機能を求める声は多かったが、ジャンは受け入れなかった。ウィーチャットの立ち上げから携わってきたハーベイ・チョウは、その理由をこう説明してくれた。
「ソーシャルメディアでのやり取りは、強制的であってはならない、というのがアレンの考え方です。あなたが私にメッセージを送るとしましょう。私はすぐには返事をしたくないかもしれない。あなたに既読が通知されたことを私が知れば、それは私にとって、返事をしなければというプレッシャーになるわけです。個人を尊重し、個人の独立性を守るために、そういう機能の追加はやめよう、と我々は決意しています」