あらゆる都市伝説の例に漏れず、コロナパーティーについての話は、人づてに伝わっていく過程で少しずつ内容が変わっていく。この話の最新ヴァージョンが出てくるまでは、コロナパーティーとは十中八九、ウイルスに感染して免疫を得て“さっさとけりを付ける”ことを目指した昔の「はしか(麻疹)パーティー」のようなものであろうと語られたり、想像されたりしていた。
これについて『ニューヨーク・タイムズ』は、尾ひれがついていることは誰の目にも明らかであるにもかかわらず、「こうしたパーティーの前提は、ウイルスが本当に存在するのか試したり、免疫を得るためにコロナウイルスに意図的に自らを晒したりすることである」と伝えている。 このニュースは、お金を賭けていたという話から始まり、息を引き取る直前の男が暴露したという今回の話に至るまで、何度もつくり変えられ、さらにドラマティックなものになっているようだ。
コロナパーティーについては何百回も報道されているが、記者がコロナパーティーに実際に参加したり、目撃したりしたと伝えられた事例をいまだにひとつとして知らない。Instagramの投稿、携帯電話で撮影した動画、パーティーの招待状のスクリーンショット、いずれの証拠も存在していないのだ。