2010年ころ、すでに消費者はファストファッションに飽きていた。ファストファッションが流行しはじめた当初、その波は大きく、消費者はいつもワクワクしながら商品を選び購入していた。しかし同時に、『ファストファッション疲れ』を叫ぶ人や、品質に対する不満を持つ人も見られていた。また、製品を作る工場の問題についてもさまざまな報道がなされた。そしてついに、ファストファッションバブルは崩壊。D2Cという新たなビジネスチャンスが生まれたのだ。次のトレンドは、サプライチェーンに関するものだ。以前なら、高級ブランド専門の工場が多くあったが、いまは稀だ。というのも、多くの高級ブランドが、製造コスト削減を目的にアジアに進出し、そうしたイタリア製の革、アルゼンチン製の革、スコットランド製のカシミアといった私たちの心をくすぐるような製品を作る専門工場を置き去りにしたからだ。