大﨑自身が「座って食べる余裕がない」忙しさだったはず。どこで人生を見つめたのか、その瞬間を聞くと、父親、母親、妻の3人をガンで亡くしたときだと大﨑は言った。大切な人たちが自分の前からいなくなろうとしている時でも、頭の中には仕事のことがあったのだという。
大﨑の母親が3回目の手術をしたとき、医師と看護師が涙を流し始めた。「内臓が溶けて」、縫おうと思っても糸が通らなかったのだ。手術で内臓を取り出し、内臓が空っぽのような状態になった母親は「お母ちゃんは大丈夫やから、はよ会社に行き」と大﨑を促した。そんな状態でもまだ仕事のことを考えている自分に気づき、吉本を辞めようと思った。辞めてしまえば母親の入院費は払えない。「俺はどうしたらええのや」