このシステムは彼女の顔をスキャンし、登録している。それににもかかわらず、システムが顔を認証してくれず、建物に入れなくて困ることがしばしばあるという。住民集会でもそうした苦情がよく出るらしい。建物のロビーに入れず、ほかの人が建物を出入りするのを待つしかないことが頻繁にあるのだ。
住民たちは、このシステムの問題点を多数挙げている。
例えば、外部から来たアジア人を、住民の別のアジア人と混同して認証し、入館を許可してしまうことがときどきあるという。夜や太陽光が強い昼には、屋外の入口に設置されているカメラレンズの感度が原因でシステムがうまく動作しない場合がある。誤作動があまりに頻繁に起こるので、集合住宅の警備員は事実上、ほぼ誰でも中に入れてしまう。