タイワンアリタケの胞子がアリの外骨格に付着すると、まず硬い外殻を侵食していく。そしてやがて、どろどろして栄養豊富な内部に入り込む。そこで菌糸と呼ばれる管を体中に伸ばし、哀れなアリの筋肉を貫通するネットワークを形成する(このときのアリがどんな気分なのかについては、わたしたちが永遠に解こうと思わない謎かもしれない)。

この菌は想像を絶する方法でアリの行動を操作するのだが、実は脳には侵入しない。代わりに脳の周囲と、大あごを制御する筋肉のなかで成長する。これらは噛みつき攻撃の際に使われる部位だ。

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