米ヤフーを考えてみてほしい。かつての同社は検索エンジンの黎明期をリードする存在だったが、首位をグーグルに奪われた後、2位の座をマイクロソフトのBing(ビング)に明け渡した。

 これに対応すべく、当時CEOとなったマリッサ・メイヤーは、関連技術とスタートアップを次々と買収して、王座を奪い返そうと目論んだ。2016年の時点で、メイヤーは53社ものハイテクスタートアップを買収し、23億から28億ドルの資金を投じ、配下の上級幹部らには無数の時間をM&Aのデュー・デリジェンス(事前詳細調査)に投じさせた。

 最終的に、ヤフーはそれらのスタートアップのうち33社を閉鎖し、11社の製品を打ち切り、5社は統合に失敗し、そのままにしておいた。すべての買収先の中で、ヤフーが完全に統合したのは2社のみ、つまりタンブラーとブライトロールだけである。

 2017年、成長不可能になったヤフーは、48億ドルでベライゾンに買収された。この金額は、かつての最高評価額の1000億ドルとは雲泥の差である(ベライゾンは現在、タンブラーの売却先を探していると報道されている)。

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