A級順位戦というのは、成績がよかった人が急に悪くなって落ちるということはあまりないんですよね。2年とか3年とか、何年かかけて悪い成績が続いていってリーグ順位が下がって落ちるというのが一般的なので。私の場合はその前の年も負け越しでしたし、落ちるべくして落ちたと思いました。
そのときは、翌年続けてもA級に復帰できるという感じではなかったですし、さらにB級2組に降級するかもしれないとさえ感じているような状況でしたので、フリークラス転出を宣言しました。
同時にそのころは、将棋界で大きな問題が起こっていて、将棋連盟理事5人が退任となった時期と重なりました。私のフリークラス入りとは直接関係はないのですけれど、奨励会同期の佐藤康光さんが急遽(きょ)会長職に就いたこともあって、少しでもその力になれればという想いもありました。