松本 なるほど、そういう時代なんですね。いま相居飛車の三大戦法は相掛かり、矢倉、角換わりと言われていますが。

渡辺 相手に常に3つ出すっていうのが大事じゃないですかね。準備が分散するから。永瀬、藤井、僕も3つ使うんだけど、豊島さんだけなんだよね、3つ使わないのは。先手番ではほぼ角換わりオンリーで。そこがちょっとタイプが違うんですよ。

松本 同じ相手と当たり続けると、やっぱり戦法のローテーションは難しくなりますか?

渡辺 うーんと・・・そうですね・・・。基本的にそうなんですけど、それを気にするタイプか気にしないタイプかあって。いまやってるのは永瀬、豊島、僕っていうのは、わりと戦法の注文をその都度出していくタイプなんですよ。その局において、今日はこれを持ってきました、みたいな。『いま僕にとってこの1か月、これがテーマです』みたいな感じじゃなくて。『この局はこれを持ってきました、はいどうですか?』っていうやり方。でもこれが一般的に主流だと思います。でも藤井君の場合、相掛かり始めたらずっと相掛かりやるじゃないですか。数か月間。っていうことは相手にとって相掛かりってほぼバレてるんですよ。たまに角換わりにサイクルが変わるんだけど、だけど相掛かりを続けているときは続くし、角換わり続くときは続くし。あんまり『今日はこれを持ってきました』というやり方はしないんです。相手を見て変えない。そこの違いはあるかな、っていうのはありますね。

更新情報知らせます はい 不要