「北欧諸国は共通してどこも小さな国です。1809年にスウェーデンはロシアに戦争で敗れたのですが、結果としてスウェーデンは支配下にあったフィンランドをロシアから奪われました。つまり、領土の3分の1を失いました。また、デンマークも19世紀半ばにプロイセンと争い、敗れて広い領土が敵国に占拠されました。そこで北欧諸国に共通して生まれたのが、再分配の意識です。エリートが市民たちの利益を吸い取ることをせず、市民全員が政治に参加し、国の資本をきちんと再分配する仕組みをつくらなければ国力を維持できない。大国にすべてをもっていかれてしまう。そう考えるようになったのです」