「ただ、私のなかにはハッキリとしたニーズがあったのだが、本格的にはじめる前に、ほかの人も同じニーズを抱えているのかどうか、手応えが欲しかった。それで、ロング・アイランド・シティに業務用の厨房を見つけて、グローサリーストアのトレーダー・ジョーズ(Trader Joe’s)から野菜や果物を仕入れて、手作り冷凍食品の販売をはじめてみたが、本気でやっていくなら、自分に厳しくしないとダメだと決意した。その際、自分をごまかしたくなかったから、ひとつハードルを設けた。それが、見ず知らずのお客さんの数を知り合いの5倍以上にする、というもので、これを達成できたら、勝負してみようと決めた。そうなればもう、私を不憫に思う友人や母の知人に支えられているわけじゃない。身内や知人とは関係のない、ひとつ上の次元に到達できたということだし、それは本物のビジネスの証だと考えた」。