私は、単にお金儲けだけを目指すビジネスには、
心を突き動かされることがないんです。
もっとも成功したビジネスやベンチャーは、
「なにか重要なものに懸けている」、
「組織を超越した意義を追求している」、
という気がするんです。
PayPalの仲間、イーロン・マスクが、
スペースX
(宇宙輸送を業務とするベンチャー企業)
という会社をはじめました。
なぜ彼がスペースXをはじめたかというと、
火星に人を移住をさせるためなんですね。
なぜ人を火星に移住させることが重要か。
地球でなにかまずいことが起きたときに、
惑星がもうひとつ必要になるからだと言うんです。
それが一番大切なことなのか、
議論の余地はありますよ。
でも、この考えに大いに意義を感じ、
意欲をかき立てられた宇宙工学の科学者たちが
実際にいるんです。
彼らは、ほかのどこで働くよりも、
スペースXで働きたいと思っているんです。
偉大な企業、偉大な非営利団体、偉大な活動には、
必ず「sense of mission」、
つまり「使命感」があります。
自分たちがやらなければこの問題は解決しない、
という信念です。
ある問題を解決しようとするとき、
ほかにも大勢の人が取り組んでいるから、
そのうち誰かが解決してくれるだろう、
と思うのでは、意義を感じませんし、
モチベーションが湧きません。
「自ら成し遂げなければ!」
という使命感があるほうが、
ずっとモチベーションが上がります。
そういう「使命感」を持っているビジネスの方が、
より成功すると私は考えています。