動画広告配信の仕組みを理解しておく必要があります。配信方式には大きく分けて「CSAI」と「SSAI」の2つの方式があります。

「CSAI(Client-Side Ad Insertion)」とは、視聴するデバイスから都度広告を取得して広告の表示を行う従来からある方式です。動画本編から広告に遷移する際に、クルクルっとローディングアニメーションが表示されることがありますよね。それは、広告を呼び出しているサインで、CSAI方式で広告を挿入している証拠です。CSAI方式では、デバイスそれぞれで対応が必要になり、OTT向けにサービスを提供する場合は、初期対応に時間を要します。

「SSAI(Server-Side Ad Insertion)」は本編と広告をサーバーサイドで1本に縫い合わせて、サーバーからデバイスに配信する、ここ数年で普及が進んでいる新しい方式です。このアプローチを採用することで、動画本編から広告までシームレスに遷移することが可能になります。まるでテレビでCMを見ている時のような視聴体験を得ることができるのです。また、広告ブロック機能による収益機会損失の影響も排除できる点も、大きなアドバンテージの一つです。時折「SSAIだと広告ターゲティングができない」と言われることもありますが、SSAIでも広告ターゲティングを利用することができます。

現在はCSAIからSSAIという流れが進んでおり、よりシームレスに動画広告を配信する方式が主流となりつつあります。今後は、デバイスの多角化やOTT化が進むことで、SSAI方式が主流になるでしょう。

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