バイスプレジデント(VP)に昇進した女性は、同職に就く候補者だった、経験豊かで広いネットワークを持つディレクターを部下として持った。

 彼女が上司になって以来、このディレクターは締切を守れず、自分のチームのコーチをしなくなった。にもかかわらず、全国の人事関連カンファレンスのいくつかで、従業員ブランディングにおける自社の画期的な取り組みについて講演した。彼は名高い業界紙からのインタビューにも数回応じ、実際に統括しているエグゼクティブは自分であり、上司ではないという印象をつくり出した。

 このVPは侮辱されたように感じたと同時に、みずからの上司としての威信をひそかに疑い始めた。ある領域においては、彼のほうが経験も影響力もあるからだ。だがリーダーとしての彼女は、客観性を保ち続け、復讐心を持ったり自己批判をしたりしないことが不可欠だった。

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