日本のGDP(国内総生産)は過去20年間、ほぼ横ばいで推移してきたが、同じ期間で諸外国はGDPの規模を1.5倍から2倍に拡大させた。それに伴って1人あたりのGDPも大きく伸びているのが実状だ。1人あたりのGDPは、その国の平均賃金に近いと考えてよいので、相対的に見ると日本人の購買力はこの20年間で3分の2から半分に低下したことになる。
OECD(経済協力開発機構)によると、2018年における日本人労働者の平均賃金(購買力平価のドルベース)は4万573ドルだったが、米国は約6万3000ドル、ドイツは約5万ドル、オーストラリアは5万3000ドルと大きな開きがある。
日本人の実質賃金は過去数年マイナスが続いているが、2019年からは実質値だけでなく名目賃金もマイナスになる月が目立つようになった。ジワジワと物価が上昇する中、賃金が下がっているので、消費者の購買力は著しく低下している。