有名なのは1992年にコダックが提訴された事例だ。コダックが顧客を自社の修理サーヴィスに誘導していたことで、コダック製コピー機の修理や機器の販売を手がけていた独立系企業を市場から追い出したとして訴えられたのである。

このときコダックは、こうした状況が気に入らない顧客はコダック製品の購入をいつでもやめられると主張していた。ところが最高裁判所は、このコダックの主張に異議を唱えた。「特定のブランドの製品だけで独立した市場を構成することがある」と指摘したのだ。顧客の観点から見ると、コダック製のコピー機を所有した時点で、ほかのブランドが市場に出回っていようが関係ないからである。

またコダックは、修理に利用する部品のアフターマーケットを形成していた。このときのキーワードとされたのが「互換性」で、コダックは次のように主張していた。「コダック製品のためのサーヴィスと部品は、コダック以外のメーカーが提供するものとは互換性がありません」

更新情報知らせます はい 不要