両国が近代的な政治体制に移行したのは、インドが1947年、中華人民共和国が1949年とほぼ同時期である。両国とも、1992年の時点で1人当たりGDPが約350ドルだった。そして、両国とも圧倒的に人口が多い。インドの国民のほうが中国よりも若く、これは新しいテクノロジーに対してより寛容であることを示唆している。どちらの国も教育とSTEM(科学、技術、工学、数学)に等しく力点を置いている。
しかし、データをもう少し詳しく見てみると、大きな違いが浮かび上がる。インドではインターネットユーザーが人口の半分に留まり、QRコードをスキャンして買い物をするという概念に多くの人が抵抗を持っている。その結果、インドでモバイル決済アプリを使う人口は、中国の約8億5000万人に対してわずか1億人ほどである。