睡眠中の脳の主な機能は、科学者がよく「脳の老廃物(mental wastage)」と呼ぶ、日中にニューロンの間に蓄積された毒素を排出することである。この老廃物は、短期的にも長期的にも正常な認識機能を損なわせる可能性がある。
脳が老廃物を廃棄するのは、より重要で新しい学習経験を取り込むスペースを空けるためだ。パソコンの「自動削除」と考えるとわかりやすい。つまりゴミ箱の中身を永久に削除してスペースをつくり、処理速度を高めるようなものだ。
老廃物の排出は、基本的な学習記憶機能を支えるほか、気分や感情、性欲をコントロールするカギでもある。