ネットフリックスが2004年11月、一度に3枚レンタルできるサービスの価格を21.99ドルから17.99ドルに引き下げると、2003年からDVDレンタルに参入していたウォルマートは17.36ドルという価格設定で追随した。
ブロックバスターは2004年1月から延滞金をなくしたばかりでなく、ネットフリックスをほぼ完全に模倣した「ブロックバスターオンライン」を8月から開始し、12月には同様のサービスの価格を14.99ドルに下げている。
さらに、2004年11月に英国、そしてドイツでサービス開始したアマゾンが参入するのも時間の問題だと思われており、最も資金的な余裕がないネットフリックスがレッド・オーシャンでおぼれる姿が見えていた。
しかし、ウォルマートは2005年に撤退した。アマゾンはオンラインDVDレンタルが収益性に乏しいと判断して、2008年にこの事業を欧州のオペレーションをラブフィルムに売却し、米国国内では参入しなかった。
このラブフィルムとネットフリックスの両社を2009年に買収しようとしたのが、グーグルである。だが、ユーチューブ部門の反対にあってとん挫し、アマゾンが2011年にラブフィルムを買収し、2009年以降に急拡大していたストリーミングサービス参入の足掛かりにした。