gkojay:

“アメリカでは経営不振から地方紙がつぎつぎと消滅している。
新聞広告収入はこの5年で半減、休刊は212紙にのぼる。記者も労働条件を切り下げられ、解雇され、20年前は全米で6万人いた新聞記者が現在は4万人。
新聞記者が減ったこと、地方紙がなくなったことで何が起きたか。
地方紙をもたないエリアでは、自分の住んでいる街のできごとについての報道がなくなった。「小さな街の役所や議会、学校や地裁に記者が取材に行かなくなった」
「取材空白域」が発生したのである。
カリフォルニアの小さな街ベルでは、地元紙が1998年に休刊になり、地元のできごとを報道するメディアがなくなった。
すると、市の行政官は500万円だった年間給与を十数年かけて段階的に12倍の6400万円まで引き上げた。市議会の了承も得、ほかの公務員もお手盛りで給与を増やしていた。でも住民はそのことを知らなかった。十数年間、市議会にも市議選にも新聞記者がひとりも行かなかったからである。
「地方紙記者の初任給は年間400万円ほど。もし住民が総意でその額を調達し、記者をひとり雇っていれば、十何億円もの税金を失うことはなかった」”

地方紙の存在意義について (内田樹の研究室)

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