石油や天然ガスなどの化石燃料を燃やすと、含有される炭化水素がCO2になり、水やエネルギーが生み出される。今回の実験はそのプロセスを逆転させ、「有機的燃焼法(organic combustion method:OCM)」という方法でCO2を燃料に戻す。

研究チームは、クエン酸と水素に熱(350℃)を加え、鉄・マンガン・カリウムでできた触媒をCO2に加えることで、ジェットエンジンで使える液体燃料を生み出すことに成功した。実験はステンレススティールの反応炉で実行されたが、生成された燃料は数グラムのみだった。

実験室において、CO2は小型の容器から取り出された。しかし、今回のコンセプトを現実世界に適用する場合、大量の温室効果ガスを工場もしくは空気中からじかに取り込み、それを環境から取り除くことになるだろう。CO2は温室効果ガスのなかで最も一般的なもので、工場やクルマのほか、森林火災や焼き畑農業の際に燃える木からも生み出される。

大気中からCO2を取り除けば、温暖化の抑制に効果があるだろう。しかし、世界のCO2排出はここ数十年間で増え続けており、このままいけば今世紀末には地球の温度が2℃上昇してしまう。

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