最も傑出したプレゼンターの一人だと見なされている、スティーブ・ジョブズを例に挙げよう。彼は、文章や箇条書きのみのスライドを、めったに使わなかった。その代わりに、写真と文章を組み合わせたスライドを用いていた。

 記憶とコミュニケーションに関する実験で、写真や画像で伝達される情報のほうが、言葉だけの情報よりも記憶に残りやすいことがわかっている。

 科学者たちはこれを「画像優位性効果」と呼ぶ。分子生物学者のジョン・メディナによると、画像を記憶する能力は人間の最大の強みの一つだという。彼は次のように述べている。「写真や絵を記憶する人間の能力は驚異的である。耳から入った情報は3日後には10%しか覚えていないが、そこに写真や絵を加えると、3日後でも65%は記憶に残っているのだ

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