最近『ニューヨーク・タイムズ』紙に、クラシック音楽における休符を取り上げ、なぜ小休止が聴衆の注目を集めるのかを説明する記事が掲載された。私たちは社会的生物として、コミュニケーションの流れが途切れたとき、注目するようにできているというのだ。
「私たちは意味ありげな会話の途切れや、ハッとしたときの沈黙、さらには息を飲んで何かを待つときの沈黙に気がつく」と著者は書いている。「答えが一拍遅れて与えられると、そこに躊躇や心の痛みがあることが明らかになったり、笑を呼んだりする」
音楽と同じで、スピーチで小休止を入れると、雄弁性の一つと受け止められる。小休止の威力を知る最も簡単な方法は、次のプレゼンで、最も大事なメッセージを1つか2つ選び、その直前に小休止を入れることだ。たとえば、「みなさんに覚えておいてほしい最も重要なことは」と言ったあと、2拍休んでから、続きを言う。それがどんな内容であれ、聴衆の記憶に残るのは間違いない。