日本の行く末はどうなるのか。
巨額の債務負担を抱え、赤字を削減できず、債務の貨弊化に走るとなれば、日本のたどるべき道は1つしかない。インフレだ。しかも、ちょっとしたインフレ
ではなく、ハイパーインフレだ。こう予想するのは、フランスの金融大手ソシエテジェネラルのストラテジスト、ディラン・グライス氏。同氏の主張には残念な
がら説得力がある。こうした日本の大きな「巻き戻し」は、遅かれ早かれいずれ訪れる可能性がある。それは皮肉にも、世界的な景気回復期待を背景とする債券利回りの上昇に
よってもたらされる可能性がある。そうなれば日本経済は、たとえわずかな利回り上昇であっても、金利負担の増加によって赤字がさらに拡大し、その結果さら
に金利が上昇するという悪循環に陥る可能性がある。これまで日本の国内投資家は政府債務の穴埋めに甘んじてきた。だが、高齢化に伴って国内貯蓄率は減少している。近い将来貯蓄率はマイナスになり、政府は
海外投資家に資金を頼らざるを得なくなるだろう。だが、海外投資家は、損失の見通しが高い投資に対して1%の利回りでは満足しない。そうなった場合、他国にどのような影響が及ぶのか。
日本がハイパーインフレで立ち行かなくなれば、さまざまな事態が発生する可能性がある。
投資家は間違いなく日本の債券市場から去っていくだろう。そうなれば、ほかの「良質な」ソブリン債に投資家が流れるのか。あるいはソブリン債にはすべ
て、より高いリスクプレミアムが課されるべきだとみなされるようになるのか。その場合、他の投資商品が選好される可能性もある。恐らくは、コモディティー
のように政府が発行できないものだろう。そうなれば、世界中の市場に深刻な影響がもたらされるのは確実だ。
国内 / 【ブログ】日本の失われた20年から学ぶべきこと / The Wall Street Journal, Japan Online Edition – WSJ.com (via deli-hell-me)