「正直、最悪の状態でした。まず、公演前にはみんな必ずストレッチをしていたのですが、いつの間にかそれに出てこないメンバーがいるようになった。スト
レッチに出てきてもまともにやろうとせずに、端っこでずっとしゃべっていたり。その姿を他のメンバーがモヤモヤした気持ちで見ている。でも先輩だから言え
ないし、みたいな。リハーサルも正直グダグダで。あんなのリハーサルじゃない。あの素晴らしかったチームAはどこ行ったんだ!?私がいない間に、いったい
何があったんだ!? 本当にショックでしたね」―――
それから高橋みなみはチームの立て直しをはかろうとする。だが、うまくいかない。全体に向
かって「ちゃんとリハーサルしようよ」とか、ダラダラしていたら「早くしろー」とかいうのだが、機嫌を悪くする者もいるし、仲のいいグループで固まってい
たりしている。無理やりまとめようとしても悪くなるばかり。でもほっといたら立て直しはきかなくなる。どうしたらいいか、高橋みなみは毎日家に帰ってから
ずーっと考える。そして、チーム内にいくつか出来てしまっていた仲良しグループを解体するという作戦を思いつく。