ジムとメアリーはとても貧しい夫婦だったが、お互いに愛し合っており、
心から幸せだった。二人はそれぞれ自慢の物を持っていた。ジムは祖父、
父と代々受け継いできた金の懐中時計。メアリーは自慢の長い髪だった。クリスマスが近づいてきたある日、ジムはとても素敵なべっ甲の櫛を
見つけた。メアリーの髪にはさぞや似合うだろうと思ったが、貧乏な
ジムには手が出なかった。メアリーはとても素敵なプラチナの時計の
鎖を見つけた。ジムの金時計にはさぞや似合うだろうと思ったが、
貧乏なメアリーにはとても手が出なかった。メアリーはどうしてもジムに時計の鎖を贈りたくて、悩み抜いた末に
身体を売った。見知らぬ男に抱かれたメアリーはお金を手に入れ、
プラチナの時計の鎖を買った。クリスマスの日、メアリーはジムに鎖を贈った。ジムはとても喜び、その姿を
見たメアリーは、これで良かったんだと自分に言い聞かせた。そしてジムも
メアリーにべっ甲の櫛を贈った。メアリーはとても喜び、ジムもその姿に満足
した。「じゃあ、ジム。そろそろクリスマスのディナーにしましょう」
メアリーが手料理をテーブルに並べてそう言うと、ジムが言った。
「今日は立ったままでいいかな?」