バーに片目・片腕・片脚の男が入ってきた
目にはドクロ入りの眼帯が、右手には先のするどいフックが、右足には鉄の義足が付いている
先に飲んでいた客たちは興味津津で男を眺めた
カウンターで飲み始めた男にバーテンが言った
「やあ、一杯おごるからあんたの武勇伝を聞かせてくれよ」
男はにやりと笑うとバーボンを一気にあおった
「いいぜ、なんでも聞きな」
「その右足はどうしたんだい?」
「こいつはワニに食われちまっったんだ。
ただそのワニ公はその後バッグとベルトになる運命をたどったがな」
「おお、すごい。じゃその右手はどうしたんだい?」
「こいつはサメに食われちまったんだ。
ただそのサメ公はその後カマボコになる運命をたどったがな!」
「おお、すごいね」
バーテンや客たちは感心して話を聞いている
「じゃあその右目はどうしたんだい?」
「ああ、これはちょっと目にゴミが入ってしまってな」
「えっ?そんなことで目が潰れちまったのかい?」
「あ…イヤ…」男はモゴモゴしながら言った
「それが右手をフックに変えた最初の日でね」