二人の男が車で北に向かう途中、ひどい吹雪に遭ってしまいまし た。
近くの農家に車を停めて声をかけてみると、中から非常に美しい女性が出てきました。
そして親切にも一晩泊めてくれると言うのです。
「ただ、私は最近夫を亡くしたばかりで、あなたがたを泊めてしまうと、変な噂が立たないとも限りません」と女性は説明しました。
そこで二人のうちジャックと名乗る方がこう言いました。
「心配いりませんよ、僕らは納屋に泊まりますし、天候が回復したら朝いちばんに出て行きますから」
女性はそれに承諾し、二人の男は納屋で一泊することができました。翌朝には天候が良くなっていたので農家をあとにし、週末のスキー旅行を満喫することができたのです。
…やがて9ヶ月ほど経ったある日。
ジャックは思いがけない一通の手紙を受け取りました。
それは弁護士からの手紙で内容を読んでみると、あの吹雪の晩に会った未亡人の弁護士からではないかと思いました。
ジャックは一緒に行ったボブの家に行き、尋ねました。
「なあ、俺らがスキーに行った吹雪の晩に泊めてもらった、あの未亡人を覚えてるか?」
「もちろん覚えてるとも」
「お前、もしかして夜中に抜け出して、その未亡人のところに行ってないか?」
ボブはバレたと照れた顔を浮かべながら、「正直に言おう。行ったよ」と言いました。
「それでお前、その時に俺の名前を使ってないか?」
ボブは済まなさそうに、「すまん。つい…お前の名前を使っちまったんだ。だけどどうしてそんな質問するんだ?」
「彼女は死んでしまって、遺産のすべてを俺に残してくれたんだ」

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