現在、民主党は3分の2の議席を衆議院で持っていないので、野党が民主党に協力しない限り赤字国債は発行できないことになる。つまり野党はその気になれば、日本という世界第3位の巨大経済の血流を一気に止めることができるのだ。人間の首の動脈を切り裂くみたいに。
赤字国債が発行できなければ、公務員の給料はもちろんのこと、満期を迎える国債の償還もできないことになる。これによって日本の多くの金融機関の息の根が一気に止まる。そして大規模な金融危機が発生する。同時に日本国債と日本国債の信用にリンクされている円が暴落する。社会は一時的に混乱するかもしれないが、大量の資産を持つ高齢者層から、虐げられてきた若者に莫大な所得移転が発生するし、官民格差や年金問題やデフレなどは全て解決することになる。かなり強烈なインフレになるだろうが、日本は莫大な米国債をはじめ世界に大量の債権を持っているので、ジンバブエほどのハイパーインフレが起こることはないだろう。また、円安によって日本の輸出産業は驚異的な競争力を持つことになる。確かに一時的に社会は大混乱するだろうが、それさえ切り抜けることができれば再び日本を成長軌道に乗せることも可能かもしれない。そしてその「一時的な」大混乱の責任は現在の与党に押し付けられることになろう。