Tumblrを作った理由:ブログは普通の人には難しすぎる
ブログかマイクロブログかという終りのない議論は、結局マイクロブログ側のTwitterとFacebookの話になることが多い。しかしTumblrは、ステータス発信中心のTwitter、Facebookと、長文形式のWordpress型ブログのどこか中間に位置している。むしろ、画像、リンク、ビデオなどの入った短いブログ記事を作ることから、TwitterやFacebookよりも正確にマイクロブログと言えるかもしれない。しかし、Tumblrの驚異的成長 ― 毎週2.5億ページビューずつ拡大中 ― のカギは、いかに簡単に記事をアップしたり、友達の記事をリブログ[転載]したりできるかにある。 Tumblr CEOのDavid Karpが最近、[TechCrunch TVの]ファウンダー・ストーリーでChris Dixonのインタビューを受けた際に、彼が4年前他のブロギングツールに対抗してTumblrを作った時のことを話した。「ブログはどれも同じだった」と彼は言う。「私はもっとずっと自由形式で、言葉によらないものを作りたかった」。人は自分を表現したくてブログを書く、しかし当時のブログプラットフォーム ― WordPress、Blogger、TypePad ― は複雑すぎた。「普通の人たちがあれを使いこなせるとは思えなかった。パソコンの前に1時間座って記事をアップするには覚悟がいる。」 彼はこうも付け加えた、「Wordpressはその種のブログ発信には最高のツール」だが、彼のように「書くことが好きではない」人間の使うツールではない。だからTumblrを作った。それは、自分の思いと画像をできるだけ早くアップできるよう、情報発信のハードルを下げるようにデザインされたツールだった。 しかし、TwitterやFacebookの方がハードルは低いのではないか。その通りだが、そこに表現上の強い個性はない、とKarpは言う。「あれは創造的表現のために作られたツールではない。Facebook上のアイデンティティーに誇りを持つ人はいない」。ふむ、一理ある。対してTumblrは、そこがネット上のわが家だと自信を持って呼べる場所になるよう作られている。Tumblrは非常にデザイン指向で、自分の個性に合わせてカスタマイズできる、それもMySpaceのような悪趣味にではなく。TwitterとFacebookにとって「表現力は必ずしも気にかけている点ではない」。