・人間は、知性について一般的に次ぎのどちらかの考えを持つ。ひとつは、「知性は固定した特性だ」という考え方。ふたつ目は、「知性は鍛えられ、徐々に伸ばすことが可能だ」という考え方である。
・不思議なことに、補習コースに応募したのは、あらかじめ「知性は鍛えられる」とアンケートに答えた学生だけだった。「知性を固定した特性」と考えた学生は、自分の出来が悪い学生とみなされるのを嫌がり、コースを受けようとしなかったのだ。
・思春期前の児童のクラスに、難問を集めたテストを与えた。そしてテストが終わったあと、いっぽうのグループには問題に取り組んだ努力を褒め、もういっぽうのグループに対しては知能を褒めた。すると知能を褒められたグループは、以後、難しい問題に取り組むのを敬遠するようになり、その後のテストで点数が下がりはじめたのである。