・プライミングの効果は小さくない。2人のオランダ人研究者がある実験をした。雑学クイズのゲームから難問ばかり42問集め、学生のグループに答えさせた。学生の半分にはゲームを始める前の5分間に教授になるということについて考えさせ、頭に浮かんだことをすべて書き留めるように指示した。この学生たちは55.6%の質問に正しく答えた。残りの半分にはゲームの前にサッカーのフーリガンについて考えさせた。彼らの正解率は42.6%だった。「教授」のグループが「フーリガン」のグループより物知りだったわけではない。頭がよかったわけでも、集中力があったわけでも、真剣だったわけでもない。「頭がよくなった」ように感じただけだ。そして頭のよさを示す概念、ここでは教授を自分と関連づけることで、難しい質問に緊張しながらも正しい答えがすらすらと出てきたのだ。55.6%と42.6%の差は大きい。合格と不合格を分けるかもしれない。