大阪梅田駅のホームを見てみると、ツルツルで光沢を放っていて、明らかに他の駅とは違う。これは床に塗られた樹脂製ワックスによるもので、駅の床材に合った濃度のものを、毎月1回塗布している。
「マルーン」と呼ばれる赤茶色が印象的な車体もピカピカなイメージがあるだろう。
車体の塗装は、軽い補修の後で本塗りを1回という鉄道会社が多い中、阪急はパテで表面を平滑に仕上げた後、下塗りや本塗りを重ねる。
塗装作業が終わった後は、工場に保管されている色見本の板と見比べて、基準通りの色となっているかをチェックする念の入れよう。これほどまでの手間を、特急車両ではなく一般の通勤車両すべてにかけているのだ。
外観だけではなく、アンゴラヤギの毛を使用した肌触りの良い座席など、車内においても美しさ、快適さを追求している。